2016年12月号
地区大会ご報告Ⅱ
RI会長代理あいさつ
RI会長代理 水野 功
皆さん、こんにちは! ご紹介頂きました、第2750 地区直前ガバナーの水野です。服部良男ガバナーのリーダーシップのもと、地区大会開催にご尽力された舩橋茂行大会実行委員長様始め、ホストクラブの小牧ロータリークラブの皆様に、心からの謝意と敬意を表する次第です。斎藤理事を輩出され、日本を代表する貴地区にジョン・ジャームRI 会長の代理として指名されたことは、私たちにとり大変光栄であると同時に、その責任の重大さを深く感じております。2 日間、どうぞよろしくお願い致します。
地区大会は、ガバナーのリーダーシップのもと、地区内ロータリアンが一堂に会し、交流を深め、未来に向けてアイデアを交換する場と考えます。今年度、貴地区におかれては、ロータリー財団100 周年を祝い、千玄室元RI 理事をお招きして、「世界で良いこと」をしてきたロータリー財団100 年を振り返り、地区会員の皆さまとともにお祝いしたいと提案されています。
大会の2 日間が、地区会員の皆さんにとって、有意義で活気に溢れた大会となりますことを心より期待しております。
さて、RI 会長代理には、RI 会長よりRI 会長テーマを中心に地区会員の皆さんの意識を喚起し、鼓舞・激励すること、RI 始めロータリーの現況報告をすることが求められておりますが、お時間の関係も有り本日は、昨年、ガバナーとして感じたこと、また、今、拝命しています役職を踏まえてお話をさせて頂きたいと思います。
ジョン・ジャームRI 会長の最優先事項はもちろんポリオ撲滅です。2018 年までに撲滅という目標まで、もうすぐかと思います。しかし、まだ資金が必要とされています。皆さんの力強いご支援をお願い致します。
2 番目の重点事項はクラブ基盤の強化、会員増強・維持ですが、今年度は8 年に一度のゾーンの見直しがなされる年度です。現在、日本のロータリアンは、この8 月末で89,254 人、第1・2・3 ゾーンはそれぞれ28,037 人、27,524 人、32,158 人です。皆さん、よく御存じのように1 ゾーンに必要な人数は、35,000 人ですので、第3 ゾーンはともかくとして第1・2 ゾーンはこのままではゾーンを維持できなくなります。
ゾーンの見直しがなされると、理事定数などが見直され、ひいては日本のロ―タリーの発言力低下に繋がります。斎藤理事を日本全体で応援したいと思います。
会員増強で特にご指摘したいのは、女性会員についてです。この6 月末では日本全体で
5,300 名の女性会員が在籍しています。また、昨年度を通じて121 名、103 名、83 名各ゾーンで増加している点です。日本全体で、6% を占めていますが、世界全体では21% です。会員増強を考える際の一つのポイントであると思います。
また、維持の重要性も是非再認識していただきたいと考えます。入会に際しロータリーについての説明が十分ではなく、ロータリーの本来の楽しみを味わうことなく、退会する会員が数多く、見受けられます。服部ガバナーは、地区方針に「真のロータリアンになろう、ロータリアンを見つけよう」と提唱されています。参加して、行動してエンジョイロータリーが基本であると考えます。
私たちの地区では入会3 ヶ月未満の会員を対象に、年6 回ほどオリエンテーションを地区研修委員会が担当して開催しております。また、新会員セミナーは年1 回春先に、3 年未満の方を対象に実施して、クラブサポートの一環として開催しています。入会後の早い段階で、他クラブの方々の交流も深め、ロータリーの組織や歴史等について理解促進の一助となっているものと考えます。
服部ガバナーは、地区重点課題に関して、大変示唆に富むことを指摘されています。それは、貴地区は日本の34 地区のなかで最も活性化し輝いている地区の一つであるが、活性化しているのは、地区委員会の奉仕活動であり、各クラブの活動ではないと話されています。このことは日本のロータリー全体に、多かれ、少なかれ存在している課題であると思います。
さらに、ロータリーの奉仕プロジェクトや活動に参加していないロータリアンやロータリーのブランド(価値)を認識していないロータリアンが多数いることが、退会者の増加に繋がっているのではないとかと話されています。
この点は、ガバナー時代、全く同様に感じておりました。同じように寄付についても、その浄財がどのように活きて使われているか、実感してほしい、そしてそれが未来への大きなプレゼントに繋がって行くことを理解して頂きたいと強調してきました。
地区会員の皆さんには、ワールドフェスタ始め、青少年交換プログラム、RYLA などの青少年奉仕プログラムや米山奨学生の交流事業など、クラブを超えて積極的に参加し、行動していただきたいと思います。また、地区役員の方には、その活動をクラブに持ち帰り、発表して情報を伝達して頂きたいとお願いしたいと思います。地区のすべての活動は、クラブサポートが基本です。この点を十分に理解して、地区でもクラブでもご活躍頂きたいと考えます。
服部ガバナーは、地区の輝きを持続可能にしていくために、今年度から戦略委員会を設置し、RI の戦略計画と歩調を合わせて、将来を見据えた戦略計画を構築したいと提案されました。ロータリーは長い間、すべての事柄が単年度制で運営されてきましたが、「未来の夢計画」がスタートする前後から、単年度制の弊害が指摘されるようになりました。ロータリー財団の委員長は3 年の任期がいち早く導入され、昨年度末には国際奉仕委員会、会員増強委員長も3 年の任期が奨励されることとなりましたことは、ご存じのことと思います。
このようなRI の方針は、クラブ基盤の強化には単年度制ではうまく対応できないことへの対応であると考えます。地区・クラブにおいても、基盤強化に継続性が求められており、戦略計画委員会の設置は時節を得た対応であると思います。我が2750 地区では昨年度から、地区戦略委員会を立ち上げ、ガバナー、GE,GN,PDG1 名と事務方1 名で地区の継続性と将来へのビジョンつくりに着手致しました。お互いに、切磋琢磨してより良い地区を目指していきたいと考えます。
日本のロータリーについて、私見を少しお話させて頂きます。端的に言って、日本のロータリーは、社会・経済の変化に対応してこなかった、あるいは無視していたように感じています。
伝統的な例会の在り方、日本独特の職業奉仕の概念にあまりに固執した考えなど、世界のロータリーの変化から目を背けていたと思います。RI は社会・経済の変化を受けて、何年も前から試験的プロジェクトを実施して来ました。また、世界各国のロータリアンからアンケート調査を実施して、ロータリーの将来を見据えて、戦略計画を策定し、実施して来ました。
それに比して、日本のロータリーはどうでしょうか?バブル経済の崩壊後の経済情勢の変化、インフレからデフレ社会に突入し、今なおその状況が続いています。また、インターネットの急速な普及やLINE やFB などSNS の著しい発展などによる、情報伝達の在り方の劇的な変化などに対応してきたでしょうか?どんな組織も強いものが生き残るのではなく、変化に対応できたものが生き残るというダーウィンの言葉をどう受け止めてきたでしょうか?
今回の規定審議会での、クラブ運営に大幅な柔軟性を与える決定は、入会金の削除などと合わせて、大きな議論を引き起こしました。誤解を恐れず言うならば、本質的な問題ではないと思います。ロータリーの根幹は些かも変化していない、むしろ、自由度が増した分、クラブの責任が重大になったとも考えられます。
今年の国際協議会のスピーチで、ジョン・ジャーム会長は次のように述べています。ロータリーがこれからも発展していくためには、単に新会員を入会させるだけでなく、ロータリー奉仕に積極的に参加できるクラブ、新会員を温かく迎え入れ、活気があり、「4 つのテスト」を真に実践するクラブ、このようなクラブが必要であり、ポール・ハリスが111 年前にロータリーを創設した目的、すなわち、「価値観を分かち合える人を見つける」ということは、今日も人々がロータリーに入会する理由となっていると話されました。誠実さ、多様
性、寛容、友情、平和を信じ、人生の最大の目的は人類のために奉仕することだと信じている人々と出会うことだと話されました。そして、ロータリーは変革を遂げ、時代の変化に対応し、前進しています。しかし、その活動がどのようなものであれ、ロータリアンをロータリアンたらしめる真髄は変わることはないと結ばれています。RI テーマ設定の理由については、多様性を強みとするロータリーは、今も職業分類を基本としています。高い倫理基準は時代を超えた価値観であると信じる私たちは、今も、「四つのテスト」を壁に掲げています。そして何よりも、ポール・ハリスが信じたのと同じように、人生の最大の目的は人類に奉仕
することだと信じていますと話されました。
今年度、貴地区が服部良男ガバナーの強いリーダーシップのもと、力強くジョン・ジャーム会長テーマ「人類に奉仕するロータリー」を実践され、ますます輝かしい地区となられますことをご祈念申し上げ、会長代理のご挨拶とさせて頂きます。ご清聴、ありがとうございました。