【講演】「碧南市藤井達吉現代美術館の活動状況と果たすべき役割」
(碧南ロータリークラブ)

20120926_hekinan_1.JPG碧南市藤井達吉現代美術館
副館長 岡崎康浩氏

日頃は美術館運営、並びに市政全般におきまして、多大なるご理解とご協力を賜りますことを、御礼申し上げます。また、本日はこのような席にお招きいただきまして、感謝を申し上げます。ロータリークラブ様と美術館の関係を申しますと、美術館建設時に藤井達吉像をご寄贈頂いたということで、多大なるご奉仕に感謝を申し上げます。さらには、美術館には美術館協議会というものがございますが、その会長にはロータリークラブの会長であられる黒田昌司様にご就任を頂いています。副会長には、平岩会頭にご就任頂いております。まさに、美術館においては、ロータリークラブさんのお支えがあって成り立っていると言っても過言ではありません。
美術館の運営を、単なるギャラリー的に捉えられている方が多いのですが、実際働いてみますと、いろいろな取り組みがあることが私自身もわかりましたので、本日はそのようなところを皆さんにお伝えしたいと思っています。
まずは、美術館の基本理念ですが、藤井達吉の顕彰とこの地方の芸術文化を育成するという目的で設立されました。そして、若い世代を育てる、また、まちづくりの拠点施設ということで、市民に愛され親しまれる美術館を目指して運営を行っています。
美術館の基本的性格ですが、美術に関する情報を発信し、生活の豊かさ、また、心のゆとりを持つように、そして市民の方々の文化・芸術の向上を支援し、次世代を担う子供達の教育をしていく、という役割のもと、運営をしています。
文化庁長官が、文化・芸術が人生において持つ力や意義を前向きに見直す動きが、東日本大震災後に出てきたと発表しています。一方、内閣府が発表した世論調査の結果では、64%の人々が、これからは心の豊かさやゆとりを重要視する、と回答しています。人々が、いかに心の豊かさ、あるいは人生を豊かにしたいという気持ちを持っているか、ということを表していると思います。
美術館の活動状況をご説明させて頂きます。美術館は、企画展、常設展、教育普及、収集・保管、調査研究という5つの項目でもって事業を行っています。
まずは企画展です。藤井達吉の顕彰にふさわしい企画展の他、美術の様々な領域を視野にいれ、優れた美術作品を市民の方々に提供するという役割のもと行っています。
次に、常設展です。これはやはり藤井達吉に関わる作品及び資料の展示をしています。
3つ目に教育普及です。幅広い年代の人々に美術に親しんでもらう、美術の情報を皆さんに発信する、学校などの教育現場との連携をはかってやっていく、ということやっています。
4つ目に収集・保管です。市民の財産といえるコレクションの形成に努め、その作品の恒久的な保存に努めています。
最後に調査研究です。これは、最も重要な事業として、力を入れて取り組んでいます。美術活動の充実を図るため、藤井達吉及び藤井と同時代の美術を中心として、国内外の美術に関することや、地域の歴史や文化に関する調査・研究に取り組んでいきます。
観覧者の推移ということですが、平成20年には5万4千人の方のご観覧を頂きました。21年度には少し下がりましたが、その後右肩上がりで、23年度には6万1千人を超えました。
他の美術館に比べても、碧南市の美術館は人口比で多くの方にきて頂いていることがわかります。また、市外からお越しいただく方が65.7%います。その方々に、市内で買い物、または食事をされますかと問うと、はいという回答が58.5%でした。
美術館は教育施設であると同時に、まちづくりの拠点施設として作られています。もう一度基本理念という所に戻りますが、教育施設としての役割、また、心のゆとりをもたらす場を提供しながらのまちづくりの拠点施設としての役割というものを持ちながら運営をしています。
美術館の活動状況、果たすべき役割というところでお話をさせていただきましたが、本日お越しいただいた皆様に少しでもご理解をいただけたら幸いです。

LinkIcon詳しくは、碧南ロータリークラブまで