【講演】福島の現状(名古屋名南ロータリークラブ)
NPO 法人as one 代表 丹羽 茂男さん
初めまして、NPO法人 as oneの丹羽と申します。このような席にお招きいただき、本当にありがとうございます。
写真を交えて、今の福島の状況を伝えたいと思います。また、なぜこのようなイベント企画が出来たかをご説明させていただきたいと思います。
最初に、私が東日本大震災に関わった経緯をお話しします。被災地に行って何か出来ることはないかと思っていたところ、5月に気仙沼市から正式な支援要請をいただきました。
5月当時の被災地では、おにぎりはあるけどおかずが全くない状況でした。先ほどご紹介いただいた加藤英敏社長は、小学校の頃の同級生で、カネハツ食品のレトルト煮豆がおにぎりにぴったりだということで、15,000人分(5,000パック)の提供を受けました。私はトラックで、被災地の気仙沼や陸前高田へ行きました。この時泣いて喜んでいただきまして、いかにおかずの確保が大変だったかがわかりました。
私が行った時、気仙沼はまだ焦げ臭いにおいがしていました。船はすべて火災で焼け、自衛隊の方が棒をもって行方不明者捜索をしている状態でした。
これは、陸前高田の体育館です。こちらは避難所になっていて、ここに避難した300人くらいの人が津波に流されてしまいました。非常に悲劇のあった場所です。
被災地へ私一人が行っても何も出来ないので、被災地で頑張っている若い子たちを支援しています。彼らは、一度高田の町を離れ、東京で就職しましたが大震災で戻ってきました。彼らは桜ラインといって、陸前高田の津波到達地点に桜を植えようというプロジェクトを立ち上げているので、そのお手伝いをしています。
私の仕事は省エネの工事などでしたが、この震災でいかに防災マニュアルが間に合わないかということで、防災の勉強をしまして本当に役立つ防災のコンサルティングをしております。桜ライン名古屋で講演をさせていただきました。シンセサイザーの喜多郎さんにも賛同していただきました。被災地の規模があまりにも大き過ぎるので、向こうで頑張っている若い子を応援するという活動をしています。
被災地の中でも福島は別格です。福島以外では写真を撮れますが、福島へ行くと写真も撮れないような状況です。今はテレビでほとんど取り上げられなくなっている中、福島市内へ入った所のエアカウンターの数値は0.76で通常が0.11ですから、7倍ぐらいの数値があります。0.33を超えるとエアカウンターは逃げるように音がなるので、そこはずっとなりっぱなしでした。
町に子供たちがいない状況です。福島の子供たちの約36%の甲状腺にしこりが出来ています。チェルノブイリでもそのようなことはありませんでした。
この子供たちは、一生このような甲状腺検査をし続けなければならない。いろいろな指摘がある中で、まだ140,000人ぐらいの子供が避難出来ないでいます。これは実際に政府や党では認めていないが、小児の癌病棟の整備計画がどんどん進んでいます。非常に憤りを感じる次第です。
福島は本当に前を向いて生きる希望の乏しい町です。やはりまず私が出来ることは、子供を笑顔にすること、この非汚染地区の愛知県に呼んで外を駆け回って遊んでもらうことだと思いました。そのような活動を去年の夏と冬、今年の夏に行いました。
これは愛知県の大学生のグループ50人ぐらいが、福島の子供を笑顔にしたい一心で70~100人の子供をキャンプに3週間くらい呼んでいます。学生がほとんど寝ずに食事など全部をしています。学生のパワーで子供たちがすてきな笑顔になるキャンプを開催しています。
今回も彼らと合同で、12月24日に最高のクリスマスをおくっていただきたいと思い新城で開催します。ちょっと大げさかもしれませんが、本当に子供を笑顔にして元気にして帰し、そのお母さんたちがまた笑顔になる。本当に小さな活動ではありますが、学生と私とで全力で頑張っています。
最後に7時からシンポジウムで福島の子供たちを見ている愛知の子に生の話が聞けますので、経営者の力のある方に現状を知っていただきたいと思います。是非参加していただけますようよろしくお願いします。どうも長くなりましたが、ありがとうございました。