【講演】自慢したくなるまちへ(名古屋昭和ロータリークラブ)
名古屋市昭和区役所企画経理室室長 飯田真由美様
第1部 昭和区民ウォッチング
まず、人口からみてみますと、今年4月1日時点の昭和区の人口の男女比は、全市と同じで大体半々、若干女性が多いというところです。外国人登録人口は、大学が多い区ですから、総人口に占める外国人の割合は、全市の3%に比べて4%と高くなっています。
このグラフは、平成22年に行われた国勢調査の統計から就業者人口を表にしたものですが、概ね半数の方が職を持っているのが分かります。ただ男性の就業率は6割、女性の就業率は4割。全市と比べますと女性の就業率が若干高くなっています。女性ががんばっている、という印象です。
地域団体、助成会をはじめ区政協力委員とか消防団等の地域活動団体の女性の構成割合が、名古屋市全体と比べて断トツで高いのが昭和区の特徴となっています。
年齢別人口で男女の人数を見ますと、64歳までは男性の方が多くなっていますが、65歳以上では女性が圧倒的に多くなっています。特に75歳以上の数字が相当膨らんでいることから、女性は寿命が相当長いというのがこのグラフから分かります。
区民アンケートの結果
アンケートは、無作為に抽出した2,000人に郵送で行いました。回答したのは882人でした。区政運営方針の重点施策別に、それぞれ取組みの要望の高かったトップ5をグラフにしたものです。要望の高さで突出しているのが防犯支援、高齢者支援、子育て支援、区の魅力発信、この4項目が突出した要望の高さとなっています。
これらのニーズにどれだけ応えられているのか、ということでもう一つアンケートをしています。次の表の「施策の実現度」ですが、「どの程度できていると思いますか?」と聞いております。
50%程度の方から「大体できている」という評価をして頂いていますが、ニーズの高かったものを青い丸で囲ってみました。防犯、高齢者、子育て、区の魅力発信です。この項目を見ますと、半数程度の方は「できていますよ」と言って頂いているのですが、区の魅力発信だけが3割を切っています。残る7割の方が「できていませんよ」というマイナス評価をされたという事になります。
このように魅力発信の数字が低かったので、発信力に関する指標を幾つか取り出してみました。左のグラフが「『広報なごやの昭和区版』を見ていますか?」というものです。真ん中が「昭和区のホームページを見ていますか?」というものです。この2つのグラフを見みますと、広報媒体がどの程度活用されるかが分かるわけですが、広報なごやの昭和区版は全く見ないといっている方が1割弱なのに対しまして、区のホームページを見ているかという質問に関しましては、よく見る、時々見るという方を足しても2割に届いていないという状況が分かりました。
また、情報の伝わり具合の一例として区の木(ハナミズキ)、区の花(ハナショウブ)の認知度を聞いてみました。それが右下のグラフです。区の木は6割の人が知っていると答えているのですが、区の花は3割にも届いていないことになります。区の花の情報伝達を考えただけでも、全くできていないという事になります。このように極端に評価が低い区の魅力発信に取り組んでいこうと考えた次第です。
もう一つ興味深いデータがありましたので紹介します。これは、昨年の区民アンケートですが、「昭和区に住み続けたいですか?」という質問をしました。約95%の方に住み続けたいと答えて頂きました。この数字は市内でもかなり高く、一番です。同じ年に調査した全市版の数字の平均が82%でしたので、10%以上上回っています。その理由を聞きますと、交通の便が良いからというのが7割以上の方と断トツでした。教育環境や景観の良さというのも理由になっています。では残り5%の方にとっては何が足りなかったのかという事になりますが、その答えの一つが区の魅力発信ではないかと考えたわけです。
第2部 区の魅力発信力を高めるために
昨年から緊急始動しました事業「ホットほっとタウン昭和まち自慢プロジェクト」についてご紹介させて頂きます。
まち自慢プロジェクトは、区の魅力の再発見とふるさと意識の高揚、情報発信力の強化を目的にしまして、子供からお年寄りまで区民全員参加をコンセプトとして、区の街や人の魅力をみんなで見つけ、増やし、アピールしていくというための25年度までの3カ年計画となっています。キーワードは「ホット」です。街や人の誇りとなるものを見つけて、増やしてアピールする。共に参加することでつながりを深め、ときめきを感じてもらう。そのような思いを込めさせて頂きました。
子供向けの事業、ファミリー向けの事業、お年寄りまで幅広く参加できる事業を考えまして、どの世代の方でも何かには参加して頂けるように、全部で13の事業を順番に展開してきております。どの事業も地域団体の皆さん、地元商店街、大学等の協力・協賛を頂きまして、順調に進んでおります。今年度の事業を、これまでの成果を交えながら一つひとつご紹介していきたいと思います。
①これは毎年やっていたものですが、今年度は5月に「昭和区の埋蔵金探し事業」と銘打って、新しいワークショップの会員さんを募集しまして、総勢30人で月1回程度、区内の見どころ調査や、区役所でのワークショップを行い、川名から八事までの新しいウォーキングコースを作っているところです。来年3月にはウォーキングイベントを開催する予定ですので、皆さんにもご参加頂きたいと思います。
②7月8日には「ゆるキャラまつりin昭和」という名前で、区役所講堂で〈ショウちゃん〉の着ぐるみ完成のお披露目イベントを行いました。当日は、昭和区ゆかりのキャラクター10体がステージに登場し、交通安全、火災予防等、それぞれのキャラクターによる親子向けの啓発を行いました。
③7月に「花壇コンテスト」ということで、花いっぱいで魅力的な街を作るために、日頃から地域や家庭で花壇を作っていらっしゃる方を対象にコンテストを行い、優秀な花壇を表彰するという事業を行いました。16の花壇の応募があり、最優秀賞、優秀賞、優良賞を決定しました。
④広報隊員・ショウちゃんによる広報活動という事で、ショウちゃんが、あちこちにお出掛けしています。その様子は、私が毎月作っています「ショウちゃんの部屋」というブログで報告し、お子さんにも喜んでいただけるように情報発信をしています。
⑤昭和区の歌の事業。8月より区民の皆さんから歌詞を募集中で、応募期間は11月いっぱいです。愛唱歌を作って区民祭りやイベントなどで発信していくという事業です。歌詞が決まりますと、来年にかけて曲付けと振り付けを行い、次回の区民祭りで初披露という流れになっています。
⑥ショウちゃんでご当地グルメを作ろうという事業です。応募が47作品あり、先日優秀作品が決まりました。ショウちゃんは、御器所大根をモチーフにしていますので、ダイコンを使ったレシピを募集しまして、それを生涯学習センターの講座の中で、受講生の方に2ヶ月をかけて調理実習と審査をお願いし、最優秀、優秀の3作品を決定して、10月に広報なごや等で発表したところです。最優秀作品になりましたのが写真の「だいこめ焼売」です。これは10月13日に生涯学習センターのセンター祭で、優秀作品の「大根ブラウニ」は区民祭りでそれぞれセンターの卒業生の皆さんが製造販売されまして、1時間もかからずに完売したという大好評でした。
⑦区の木・ハナミズキいっぱいのまちづくりということで、区内の小中学校16校に紅白のハナミズキの苗木を配布する予定です。今回は緑の協会からご寄付頂きました。子供達に区の木を知ってもらいたいという趣旨です。
⑧まち自慢フォトコンテストは、昭和区の魅力をPRする10分間の映像を5月から8月末にかけて募集し、一般の部、学生の部に分けて審査しました。応募数が11作品(一般の部6作品、学生の部5作品)でした。名古屋昭和RC様にも全面的なバックアップを頂きありがとうございました。
コンテストは、9月30日に昭和RCの皆様、一般区民の皆様を会場審査員としまして、上映選考会を開催しました。97人の方のご参加を得ることができました。一次審査を通過した6作品を上映し、優秀3作品が受賞となり、当日は表彰式までを行いました。
審査講評を皆さんから頂きまして、「一般の部は映像が美しく、場所の由来など普段見落としている情報にも気付かされました」。「学生の部は個性豊かで、ユニークかつエネルギッシュだった」ということで、「何れも区への愛情に溢れ、昭和区の魅力の再発見になる作品で、今後も続くといいですね」という温かいコメントを頂きました。下の円グラフは、参加者75人の方のアンケート結果です。かなり好評だったと思います。中京テレビにも特別審査して頂きまして、「1回でおしまいなの?」という声も頂きました。
まち自慢コンテストの作品は、色々な方に見て頂きたいということで、区役所の1階に映像コーナーを整備しました。これもロータリー様にご寄贈頂いたテレビです。ありがとうございます。今後はDVDや動画配信でも作品を広めていきたいと思っています。転入手続き等の来庁者の皆さんにも見て頂けますし、待合時間の改善にもつながっております。本当にご協力ありがとうございました。
この他の事業ですが、来年度は子供特派員によるショウちゃん隊結成やみんなでショウちゃんを育てようという大根栽培の事業等の新しい企画も進めてまいります。昭和区の歌を今募集しており、曲と振り付けの事業段階に来年度は入ってまいりますので、これは発表の場もありますから、来年度のメインイベントになるかと思います。来年度も引き続きのご支援をお願い致します。