2017年10月号
「10月米山月間」 に寄せて
地区米山記念奨学委員会委員長
金田英和
日頃から米山記念奨学事業に対しまして大変暖かいご支援を賜りありがとうございます。10月が米山月間ですので少しお話させていただきます。
東京ロータリークラブ創始者である米山梅吉氏の没後、彼の功績をたたえるための記念事業として、東京ロータリークラブによる米山奨学制度が1952年に設立されました。
「将来の日本の生きる道は平和しかない。その平和日本を世界に理解させるためには、アジアの国々から一人でも多くの留学生を日本に迎え入れて、平和日本を肌で感じてもらうしかない。それこそ、日本のロータリーに最もふさわしい国際奉仕事業ではないだろうか。」
当時のロータリアンの思いがこの言葉に表れています。そして、その後米山奨学事業は全国に広がり、日本の全ロータリークラブ合同事業となり現在に至っています。65年の歳月が流れましたが、設立当初のロータリアンの思いは今でも脈々と受け継がれています。今では留学生を支援する国内最大の民間奨学団体となりましたが、毎年のロータリアンの寄付だけで成り立っている米山記念奨学事業、まさにロータリアン一人一人が主役の事業といえると思います。また、今年は財団設立50周年を迎えます。50年前に全国のロータリアンの寄付を50億円集め基金を設立したことは、当時のロータリアンの米山奨学事業に対する情熱が感じられます。会計報告も毎年きちんとされています。特に皆さんからの寄付はすべて奨学事業に使われ、本部事務局経費は基金等の運用益でまかなわれていることは特徴の一つです。
「民間外交として世界に平和の種をまく」という米山の使命は、65年前から一貫して変わっていません。東北大震災の時も、海外の学友会から多額の見舞金が送られてきたことは皆さんもご存じのことと思います。まさに米山の成果といえると思います。日本に留学している学生たちは、みんな日本が大好きです。特に米山に出会えた学生たちは、ロータリアンとの交流の中で、ロータリー精神を学び成長していきます。米山を卒業し、学友になって初めて米山奨学事業の成果が問われます。ぜひ、世話クラブの皆様には、時には厳しく、時には優しく、学生たちを見守ってほしいと思います。将来のロータリアンのために。