113年前の創設以来、ロータリーの役割は、世界において、また会員の人生において、絶えず進化してきました。ロータリーはその初期、会員が親睦と友情を見つけ、地域社会で人びととのつながりを築く方法を提供していました。その後ほどなくして、ロータリーに奉仕が芽生え、組織の成長とともにその影響も膨らんでいきました。間もなく、ロータリー財団の支えもあって、ロータリーの奉仕は世界中の家族や地域社会の人びとの生活を変えていくようになりました。活動の成果を高めるために、他団体とのパートナーシップや奉仕の重点分野を生み出しました。各国政府、国際団体、無数の地元や地域の保健当局と協力して、世界最大の官民協同による保健の取り組み、ポリオ撲滅にも乗り出しました。ますます多くの会員が、友情だけでなく、人助けのために行動する方法を求めてロータリーにやってくるようになりました。
ロータリーは今も、そしてこれからもずっと、ポール・ハリスが思い描いた団体であり続けます。それは、この地球上のあらゆる国の人たちが手を取り合い、自分を超えた素晴らしいことを生み出せる場所です。その一方で、今日のロータリーは、類まれな不朽の価値を提供してくれます。それは、才能、そして世界を変えようという熱意をもつ人たちの世界的なネットワークの一員となれるチャンスです。私たちは、地域社会で行動する力が世界的な影響を生み出し、力を合わせればたいていのことを実現できる能力とリソースを兼ね備えています。
全世界で、ロータリーはかつてないほど重要な存在となっており、より良い世界を築くその潜在能力は莫大です。残念なことに、ロータリーがどんな団体で、どんな活動をしているのかを十分に理解している人は多くありません。私たちのクラブ内でさえ、多くのロータリアンがロータリーについて十分に知らず、ロータリー会員であることの恩恵を十分に享受していません。
ロータリーの奉仕は、人びとの人生、そして地域社会を変えるものです。真に変化を生み出す奉仕をもっと実現するために、私たちは、ロータリーでの自分の役割、そして世界におけるロータリーの役割を、これまでとは違う角度でとらえる必要があります。公共イメージにもっと重点を置き、ソーシャルメディアを活用して会員基盤を築き、奉仕のスケールアップを助長してくれるパートナー組織に注目してもらう必要があります。より持続可能な影響をもたらす大きなプロジェクトに力を注ぎ、ロータリー年度や任期を超えた活動の研究と計画に時間を費やす必要があります。一番大切なのは、前向きな変化を生み出し、私たちが今日直面する課題に勇気と希望、そして創造性をもって正面から立ち向かう意欲を、クラブ、地域社会、そして組織全体から引き出すための「インスピレーション」となる必要があるのです。
ポール・ハリスが述べたように「ロータリーは、世界平和の縮図であり、国々が従うべきモデル」です。私にとって、ロータリーは、単なる「モデル」ではなく、インスピレーションです。ロータリーは、可能性を指し示し、そこに到達する意欲を引き出し、行動を通じて世界の「インスピレーションになる」ための道を拓いてくれるのです。
2018-19年度国際ロータリー会長
バリー・ラシン
フロリダ大学で保健・病院運営のMBAを取得し、医療教育機関である American College of Healthcare Executives でバハマ初の特別研究員となりました。院長として37年間務めた医療機関Doctors Hospital Health Systemを 最近退職し、現在は顧問を務めています。全米病院協会の生涯会員で、Quality Council of the Bahamas、Health Education Council、Employerʼs Confederationなど複数の団体の理事・委員長も務めました。
1980年にロータリー入会。RI理事を経て、現在はロータリー財団管理委員会の副管理委員長を務めています。また、RI研修リーダーとK.R.ラビンドラン2015-16年度RI会長のエイドも経験しました。
ロータリー最高の賞であるRI超我の奉仕賞のほか、2010年ハイチ地震後のロータリーによる災害救援活動を統率したことにより多くの人道賞を受賞しています。また、エスター夫人とともに、ロータリー財団のメジャードナー、遺贈友の会会員でもあります。