2018年9月1日
2018年9月1日
会員増強について考える
7月は会員増強月間であった。各クラブ共に会員数の増加には意識を高く持たれている。とはいうもののこの会員増加は当初の目標を達するにはかなりの努力がいる。会員の増加よりも減少を食い止めて維持をしてゆくのは、なかなか困難であるというクラブの声をも聞く。
実際に日本の会員数は減少しており、9万人台となり3ゾーンであったのが、2.5ゾーンになることとなった。元の3ゾーンに戻すには各ゾーン3.5万人として10.5万人であるから、あと1.5万人の増加は必要となる。
しかし、これは日本の問題であって、RIの会員増強月間との関係は薄い。
クラブでなぜ会員増強が必要なのかを考えてみる。
まず、ロータリーは良いことをしている、これからも良いことをして行こう、だから多くの人に参加してもらおう。みんなを誘い合って良いことを広げて行こうという考えが根底にある。つまり全体で行う社会奉仕、国際奉仕に主体をもっていて、日本のロータリアンの多くが唱える個人の奉仕(アイサーブ)とは少し異なる方向である。
次に数の必要性を考えてみる。良いことをするには多くの人と繋がって行かねばならない。さらに事業費用の必要性から、多くの人から寄付を集めなくてはいけない。そのために会員を増やそうということではないかと感じている。
これをRI戦略計画では、会員基盤の強化、会員基盤の多様化と言っている。
本来はロータリーの成長のために、リーダーの養成や革新的な計画の樹立が表に出なくてはいけないのに、会員増強が当面の課題となっている。
会員増強については、日本のロータリアンの中で、ロータリーは入れてくれと言っても入れる会ではない、入ったからには個人が例会の場で学び、各職場で個人として奉仕すればよいのであって、数の多さは不要であると考える方々と相入れなように思う。
話が少々RIの方針の説明とは離れていきそうなので、会員増強をもう少し考えてみる。
となると、量と質という問題が浮かんでくる。
会員増強ならばよいが、会員増弱とならないようにと、ある方が仰っておられた。まさに至言である。増弱とならないためには、会員の増加努力と共に、入会後のオリエンテーションは必要である。ロータリーの活動を理解することで、ロータリーが楽しくなり、長く会員でいることにつながる。
このオリエンテーションがなかなかタイミングよくできにくく、新会員研修が地区で毎年行われるがそれだけでは十分ではない。一番は先輩会員が寄り添うことであると考える。例会場で自クラブの話をしたり、同好会活動を一緒に行ったりして、仲間となってもらうことである。これを急ぎすぎると古参会員にとってはクラブの様相が変わったと感じられ、新会員とともに戸惑いが生じ、去って行こうとする方も増える懸念がある。ここに世代を超えた会員同士の親睦の重要性を感じる。
甘い言葉で勧誘して入会させれば良い、ではなかろうが、難しいことは抜きにしてとりあえず入会を促しても、入会後は早くロータリーを理解してもらいロータリアンとしての、自覚と喜びを共有できるように導いてほしい。
さらに、新会員が定着するには、やはりクラブが輝いていること、奉仕の理念のもとロータリー活動をしていて、自分もその一員であることに誇りが持てることであろう。
クラブが輝き魅力あることが、会員増強にも退会防止にも必要なことであることは言うまでもないことである。
RID2760 2018-19 ガバナー 村井總一郎