22-23
ガバナー月信

Vol.3

2022.09.01

表紙

Governor’s Message

世界の子供たちのために

新年度も早いもので2ヶ月が経ちました。各クラブの皆さんも、良いスタートを切り、それぞれのゴールに向けて順調に進んでおられることと思います。
最近の社会情勢は混迷をきわめています。一度は新型コロナが収束するかのように見られたものの、7月に入って再び流行し始めました。私たちは混乱の真っただ中にあります。こうした状況は、新型コロナが流行する前と後とで私たちの暮らしを根本から変えてしまいました。新型コロナと経済活動との両立を図るために、過去の取り組みや政策、考え方に囚われることなく、新たな方法やアイデアを出していく必要があります。今まで以上に各自が自己管理を徹底し、適切な対策を取っていかねばなりません。この様な情勢の中でも、ロータ ーは、休むことなく、皆が安心して暮らせる世にするため努力し、皆で手を取り合い世界平和に向けて努力しなければなりません。この様な時代だからこそ、ロータリアンがどのように力を発揮するかが問われているのではないでしょうか。私たちの力の見せ所でもあります。
さて、ガバナー補佐訪問が7月後半から始まり、お盆明けからはガバナー公式訪問が始まりました。訪問先のクラブでは、それぞれのスタイルで歓迎して頂き大変有難く思っています。
これまでロータリーは、国際理解と親善の上に世界平和が成り立つと認識してきました。しかし一方で、文化的な誤解や相互理解の欠如によって、紛争が世界各地で引き起こされているのが現状であります。平和を希望する人々がアイデアを出し合い実行することで、様々な紛争を未然に防ぐことが可能であると思います。
当2760地区は、国際奉仕活動に関して、様々なプロジェクトを選定し、活動して参りました。特に、アジアの発展途上国の児童を対象として、識字率向上を目指し、活動して参りました。そこでは、「教育における良い環境づくり」「初等教育を普及させる」を目標としております。 ここで、識字率について少し述べさせて頂きます。過去、日本は、世界トップクラスの識字率を誇っていました。例えば江戸時代には80%以上であったのではないかとも言われております。こうした背景には、多くの「貸本屋」や「寺子屋」が存在しており、それらが識字率向上に大きな役割を果たしていたと考えられます。当時は「学問は男がやるもの」という男性偏重的な考えがあったと思いますが、現代になると男性も女性も一緒になって勉学に励んできました。
その一方で、現在、貧困国においては、読み書きが困難な子供たちが約1億2千万人もいるとのデータがあります。発展途上国の貧困層には学校に行けず、文字の読み書きを習う機会がないまま大人になる子供が多くいます。そのため、紛争地帯における危険告知の字が読めないこともあるそうです。また、教育を十分に受けられないために仕事を選べず、単調または危険な仕事をするしかなくなり、収入が安定せず貧困から抜け出すことが出来ないという負の連鎖に陥ってしまいます。
この様な状況を少しでも改善させるべく、私たちも支援活動を行うように努力していかなければならないと思います。SDGsでも識字率の向上は重視され、世界各国で支援活動が行われています。
今後も、当地区の皆さんのお力添えが必要です。皆で力を合わせ、努力して参りましょう。

国際ロータリー第2760 地区
2022-23年度
ガバナー
名古屋中ロータリークラブ所属
篭橋 美久