クラブ事業報告

岡崎城西高校と周辺地域社会における防災・減災人材育成プロジェクト

開催日:2023-01-05

岡崎南RC  執筆者 岡崎南RC 青少年奉仕理事 大須賀久人

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 私立岡崎城西高等学校とともに進行させているプログラムである「岡崎城西高校と周辺地域社会における防災・減災人材育成プロジェクト」も地区補助金事業として3年目を迎え、いよいよ集大成の年を迎えることとなりました。この高校は一級河川「矢作川」の河川沿いにあり、堤防が決壊した際には同校を始めとした周辺一帯が水害に見舞われ大惨事となる恐れがあることが、岡崎市のハザードマップにも示されています。
 そのため同校では、2年前より東日本大震災の復興に携わってきた私塾『日本の現場』代表・一般社団法人復興応援団代表理事をつとめる佐野哲史(のりひと)氏をアドバイザーとして迎え、学内における「自主防災力」の保有・醸成を目的とした活動を行ってきました。初年度は校内の避難経路の確保に向け、制限される経路の確認と実際の誘導路の設定を試み、次年度では大規模水害を想定し、従来の方針とは別に校舎の上層階への垂直避難といった試みと、周辺地域住民と協力した避難所開設訓練も盛り込みました。そして3年目となる本年度は、今後アドバイザーなくとも教師がその役割を果たし、生徒そして地域住民の核となる「人と人とのつながり」を持ち続ける仕組みを会得し実践することを目的とし、具体的には、目標①過去の「大規模災害のリアリティ」を踏まえた防災訓練を実施すること。目標②「学校の自主防災」に対して本気の教師と生徒のチームを組成すること。目標③周辺地域と「繋がり」を作っておくこと。の3点が掲げられました。
 岡崎南ロータリークラブとしては、これらの取り組みに対し資金的に援助するとともに、教師や生徒だけではない一市民としての目線からの助言と協力を行うこととしました。
 スケジュールとしては、6月14日に基礎知識を学ぶ勉強会、9月22日の「文化祭」に併せた実践発表、10月31日~11月1日に校内・校外の危険箇所を探るフィールドワーク、11月20日の「オータムフェス(地域に開かれた行事)」における炊き出し(豚汁)の実演、11月29日に防災(避難)訓練とその反省会。といったプログラムで進められました。本年度も前年同様新型コロナ感染症の影響を大きく受け、全体的に多数の参加者を望むことが困難な状況が続く中ではありましたが、それでも多くの成果を挙げることができたと言えます。目標①については防災(避難)訓練を生徒職員ともに事前通知を行わず実施し、これまでの周知内容が的確に履行されるかを確認するとともに、地域住民が避難に訪れた際の対応等を試みることができました。目標②については、教師・生徒会を中心として多くの人数が関わり、以降の年度に向けての体制づくりが進められていることが確認されました。目標③については、今回の諸プログラムの中でもかなり広範囲な助勢を得ることができ、これは、岡崎市民活動支援機構である地域交流センターを始め、近隣の学校である愛知学泉大学・岡崎市立矢作北中学校、地域機構である地元自衛隊、ボーイスカウトなどとつながりをもって事業を推進できたことは大きな糧となりました。
 本「岡崎城西高校と周辺地域社会における防災・減災人材育成プロジェクト」は本年で一旦区切りを迎えますが、以降更なる発展を遂げ、同校が地域防災の拠点となるべく今後とも協力実践をおこなっていくものとなります。