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Vol.6
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2023.12.01
2023.12.01
Governor’s Message
トレーニングからラーニングへ、とは?
ロータリーの研修モデルがラーニングモデルへと変更されました。教えを受ける・研修を受けるという受動的な研修方式から分科会やグループ単位など参加者同士でお互いが意見交換しながら学び合う方式への転換であります。
教わるばかりで自分で考えることが少ないと力はつかない、自分で考えてばかりで、人に学ばないようだと考えが偏るという背景があるように思います。従来のトレーニングや研修を否定するのではなく、多様な学び方を導入した方がいいという考えからだと考えます。
トレーニングには、二つのポイントがあると思います。一つは知識・情報の豊かな人が、そうでない人にしっかりと指導をする。もう一つは教える人が学ぶ側の人に対して、その心に動機付けをする。これに対してラーニングは、学ぶ側の気づきが最優先されるものです。
トレーニングからラーニングに変わったとしたら、トレーニングが古臭くて駄目だという発想になるかもしれない、そうではなくてトレーニングにはトレーニングの良さがあるから、それとラーニングを併用していけば、より効果を上げることになると考えます。
今まではロータリー知識の習得に終わっているようなトレーニングが多かったように思えます。トレーニングが知識を伝達しようという意識だけでやったら、受ける人は知識を習得しようという心構えしか出てこなくなる。動機付けることが実現できれば、学ぶ人はそこから先に進むことができる。知っている/知らないというのが研修の最終結論ではなく、その学びからどう次の行動に進めていく かという、主体的な意欲が生まれるかどうかが重要ではないでしょうか。
知識を習得することが学ぶことではなくて、その知識を習得したことで、自分はどういう気付きを得たか、インスピレーションを得たか、そしてこれから自分はどう行動していかなければいけないのかを、自身で考えるという作業が必要なのです。
情報や知識を持っている人は以前は限られた人だけでしたが、今は知りたいと思えばインターネットで簡単に手に入る、そういう時代だからこそ、基礎力や判断力がないと、それに振り回されてしまう、どれが正しくてどれが間違っているのか、取捨選択できるようになることが肝心だと考えます。
いくら身の回りに学べるツールがそろっていても自身がその気にならなくては、いつまでも何もせずに終わってしまう、それを触発するような人が必要です。そういう環境を作ることによって自発的にもっと学ぼうという意欲を高めるためにもラーニングが必要になったのだと考えます。
当地区において、このラーニングモデルを導入した研修システムはすでに始まっています。9月から11月にかけて行う「会長エレクト研修」は3回ともこの方式で行っています。最初はどの会長エレクトも戸惑いながらも、進行していくうちに積極的に発言できるようになり、他の発言者の意見にも耳を傾けるようになります。つまりラーニングとは、受ける側の意識改革を促すために参加者全員で意見を出し合い、他の意見も吸収するという事の繰り返しの学習方式であり、学習から実践への効果的な「道しるべ」となるのではないでしょうか。
国際ロータリー第2760 地区
2023-24年度
ガバナー
豊田ロータリークラブ所属