ガバナー月信

NEW YEAR MESSAGE

新年あけましておめでとうございます。
健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

２０１９年の日本の出生数は86万４千人と推測されました。１００万人を切ってからわずか3年で９０万人を割ったわけです。予想以上に少子化・人口減少が急速に進み日本社会、日本経済がシュリンクしています。ガバナー公式訪問でもお話しさせていただきましたが、ロータリークラブが２０年後にも輝けるためには、量の維持と質の向上が求められます。

そのために地区内ロータリアンが軌を一にしてロータリーを成長させることを実践することです。“時は今”です。今年もロータリアンの皆様が充実したロータリーライフを送り奉仕に親睦に、そしてその量の増大と質の向上に努めていただけるようお願い申し上げ、新年のご挨拶をさせていただきます。今年もよろしくお願い申し上げます。

GOVERNOR'S MOMENT

時代の変化とともに職業奉仕を考える

１月は職業奉仕月間です。

職業奉仕について「職業奉仕がロータリーの金看板である」「ロータリーの根幹は職業奉仕にある」と言われます。しかし、国際ロータリー（RI）は昨年５月２０１９年７月１日より職業奉仕委員会の責務は社会奉仕委員会に統合されることになりましたとの通知が届きました。RI理事会は、地区リーダーシップチームの規模を縮小し、地区ガバナーが管理しやすいチームを作り、国際ロータリーからのコミュニケーションと地区リーダーへの支援を効率化するためにこの決定を行いました。職業奉仕委員会と社会奉仕委員会との統合の趣旨は以上の通りですが、これをRIは職業奉仕を軽視している、職業奉仕は金看板ではなくなった等のお話を耳にしました。これは巧言令色に近いと思います。RIの決定はあくまでも組織論であって哲学を変えるものではありません。情報を整理していただき、正しい職業奉仕概念をご理解いただきたいと思います。

　それでは、いかにロータリーおいて職業奉仕が重要であるか（根幹とは私は言いません）は、ロータリーの基本理念、ロータリーの目的、ロータリアンの行動規範を読んでいただければ一目瞭然です。つまり、ロータリーの中核的価値観に高潔性が入っているということです。
ロータリーの基本理念では、五大奉仕部門として、「奉仕の第二部門である職業奉仕は、専門職務の道徳的水準を高め、品位ある業務はすべて尊重されるべきであるという認識を深め、あらゆる職業に携わる中で奉仕の理念を実践していくという目的を持つものである。会員の役割には、ロータリーの理念に従って自分を律し、事業を行うこと、そして自己の職業上の手腕を社会の問題やニーズに役立てるために、クラブが開発したプロジェクトに応えることが含まれる」とあります。
ロータリーの目的では２「職業上の高い倫理基準を保ち、役立つ仕事はすべて価値あるものと認識し、社会に奉仕する機会としてロータリアン各自の職業を高潔なものにすること」です。
ロータリアンの行動規範では１「個人として、また事業において、高潔さと高い倫理基準をもって行動する」、２「取引のすべてにおいて公正に努め、相手とその職業に対して尊重の念をもって接する」、３「自分の職業のスキルを生かして、若い人々を導き、特別なニーズを抱える人びとを助け、地域社会や世界中の人びとの生活の質を高める」とあります。

　この３つをまとめると、道徳的水準、倫理基準、高潔性ということです。これが職業奉仕のキーワードと考えれば簡単です。どうしてこのキーワードがロータリーに入ってきたのか、それは、ガバナー月信７月号をぜひ読み返してください。１９０８年にシェルドンがシカゴロータリークラブに入会し、奉仕の概念を取り入れました。１９２１年の国際大会におけるシェルドンの「ロータリーの哲学」のスピーチで「ロータリーの哲学とは奉仕の哲学です。最もよく奉仕したものが、最もよく利益を得、最もよく生き残れるのです」と職業を通じたサービスの在り方を呼びかけ聴衆の熱狂的な支持を受けたのが始まりです。今は少しこの言葉は変わりましたのはご存じの通りです。

　ここで、ロータリーを理解するには、少しキリスト教社会を理解する必要があります。奉仕というのは英語でserviceです。日本語でのサービスは意味が違ってきております。キリスト教では神への奉仕がサービスです。だから無償なのです。そして、職業はoccupationを使いますが（シェルドンも１９２１年のスピーチではoccupationを使っています）、ロータリーではvocationを使います。vocationとはvoice（神の声）による職業を言い、callingとも言います。日本語で天職と翻訳すればわかりやすいと思います。自分の仕事は単なるお金を稼ぐための労働ではありたくない、天職といえるように世の中の役割をはたし自己を生かすものでありたいということです。

　職業奉仕をむつかしくする人達が一部にいます。長文になりましたが、原理はシンプルなのです。職業は自分の一回しかない人生を充実させるものです。それをロータリーの職業奉仕理念に則ればよいわけです。ぜひ、この職業奉仕月間に自分の職業倫理感と高潔性を再考することでロータリーライフがより充実したものにしていただければと思います。

【追記】
職業奉仕委員会の責務を社会奉仕委員会に統合することについてのRI通知は５月でしたので私の年度での変更は時間的に無理がありました。岡部年度から機構改組が行われると思います。諮問委員会にて諮問されますが、RI理事会よりは地区委員会を統合しますが、地区ガバナーはRIに報告することなく地区にとって必要とおもわれる委員会を設置することは可能であると認められていることをご報告させていただきます。

2019-2020年度 地区大会

Gallery

2019年11月9日、10日に開催された地区大会の画像をダイジェストでご覧下さい。