ガバナー月信

Rotary Moment vol.8

2020.02.01

富士山

赤鬼と天狗のからかい

東三河に春の訪れを告げる鬼祭、毎年2月10日・11日にて行われます。平安から鎌倉時代に流行した田楽に日本建国の神話を取り入れて神事としたもので、古式を崩さずに伝えられていることから国の重要無形民俗文化財に指定

祭り

疫払いの白い粉

荒ぶる神である赤鬼と武神天狗が双方秘術を尽くして闘い、やがて敗れた赤鬼が償いにタンキリ飴と白い粉(小麦粉)をまきながら境外へ飛び去ります。この粉を浴び、飴を食べると厄除となり夏病みせぬと古来言い伝えられます。

平野正博 東三河分区ガバナー補佐

GOVERNOR'S MOMENT

グローバルに考える・・・

 2月は平和と紛争予防紛争解決月間です。また、2月23日から3月1日までは世界理解と平和週間です。ガバナー月信12月号でお伝えしたように、アフリカ・ウガンダ共和国のマケレレ大学にロータリーで7箇所目となるロータリー平和センター設立のためにこの地区から50万ドルを冠名基金として拠出しました。25万ドルは地区内のホシザキ電機様より、25万ドルは地区DDFからです。1月号の“Rotarian”にも記事が掲載され、賞賛の言葉もいただいております。

 日本にいると今や平和や紛争解決という言葉が縁遠いので、ロータリー活動として6つの重点分野も馴染みが薄いと思います。故に、私は地区方針に「グローバルに考え・・・」と掲げた次第です。ポリオ根絶も日本人にはもはや関心が薄れているのかもしれません。私が小学生の頃にはポリオに罹患した同級生もいましたが、世界から援助をいただき1980年代に日本はポリオ根絶に成功しました。今はロータリー活動を通してポリオ根絶に日本のロータリアンが世界に恩返しをしているわけです。地区では一人あたり150ドルのロータリー財団へのご寄付と30ドルのポリオ基金へのご寄付をいただいております。これはグローバルな視点にたって行動していただいている結果です。

 ポリオ根絶とともにロータリーが力をいれる重点分野のファーストプライオリティは平和です。現在世界の紛争地域はシリア、中央アフリカ、アフガニスタンです。世界地図を俯瞰してみると国境が直線で引かれている地域があります。アフリカとシリアです(アメリカとカナダの国境線も直線ですが)。ヨーロッパの列強国による都合で国境線が引かれたのは植民地支配によるものです。戦後のナショナリズムの高揚とともに独立はできたものの奴隷問題や民族問題の不安定な情勢から内戦や紛争が勃発しました。民族の争いは直線で引かれた国境で不自然に歪められ、紛争の原因の一つである天然資源と鉱山資源の争奪にも影響を与えています。アフリカで起こる紛争で難民となっている人の数だけでも約900万人にものぼります。中央アフリカでもスーダン共和国での内戦は50年以上続き、2011年に南スーダンが南スーダン共和国としてアフリカ54番目の国としてスーダン共和国から独立しました。スーダンも民族の争いのみならず資源の獲得戦争でもありました。南スーダン共和国は世界で一番新しい国ですが、独立したのもかかわらず暴動があとを絶たず紛争が続いています。10人に7人が小学校に行けない、10人に5人が十分に食べることができない、10人に3人が家を失い国内外に避難しているという状況です。 南スーダン共和国の南に接した国がウガンダ共和国です。その首都カンパラにあるアフリカ最大の大学であるマケレレ大学にロータリーは当地区の冠名基金を使用し平和センターを開設しました。2021年から学生を受け入れします。紛争が多いアフリカ地域にロータリーが平和センターを設置できたことは大変うれしいことです。食料支援、衛生支援、医療支援、教育支援が今は必要ですが、平和が訪れれば支援は限られたものですむはずです。この平和センターがアフリカの平和に貢献する人材を育成し、紛争がなくなることを切に願うばかりです。このマケレレ大学ロータリー平和センターへの支援を通して、当地区のロータリアンの皆様が“グローバルに考える”機会となるとともに世界理解が進むことを願っています。

国際ロータリー第2760 地区
2019-20 年度ガバナー
江南ロータリークラブ所属  伊藤 靖祐

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