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Rotary Moment vol.11
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2020.05.01
2020.05.01
抹茶の里 西尾市
西尾市の北西部矢作川側には約50ha及ぶ抹茶専用の茶畑が広がる。
新茶の時期5月になると遮光の覆いをされた茶園の中で80年ほど前から続く伝統行事、旧市内の中学生4.000名が2日間地元産業の体験学習として丁寧に茶摘みが行われています。
西尾市は六万石の城下町として歴史も古く11世紀に足利義氏により西尾城は築城されました。現在は歴史公園として丑寅櫓や旧近衛邸などの施設があり市民の憩いの場所や観光の拠点となっています。
GOVERNOR'S MOMENT
緊急事態宣言という重々しい言葉とともに、何事にも物理的距離を置くことが求められる今日、ロータリーはまさに活動停止状態に陥っています。困難に手をこまねいているのは辛いことです。そんな状況下でも徐々に一部のロータリーは活動停止の長期化をにらみオンラインでつながることを始動しています。愛知三州、春日井、江南等の各クラブはオンラインでのWeb例会を開始しました。また、Zoomでの新会員歓迎会を開いたクラブもあります。それ以外にも多くのメンバーが工夫をされていることだと思います。
当地区では医療従事者の皆さんに保護具(Personal Protective Equipment :PPE)としてフェイスシールドを愛知県医師会へ3万個を寄贈しました。またグローバル補助金を使いフィリピンへ15万個を寄贈しました。テレビ・新聞等の報道でご覧になったメンバーも多いと思いますが、このフェイスシールドは当2760地区でのネットワークを使い独自に素材メーカーに依頼し製造したものです。全国の同期のガバナーにお声がけしたところ、全国で50万個以上の発注があり、機能不全に陥ったロータリーがCONNECTされ、世界が国内が分断されたこのコロナ危機にもロータリーは前向きに結束して進めるという証明ができた、またロータリーのプレゼンスを大いに示すことができた瞬間でした。
ある意味で、この不確実な今、ロータリーが試されている時です。ロータリークラブは活動休止のまま分断されてしまう危機感を最大限に持ち、処方箋を考えなくてはなりません。世の中では、在宅ワークを助けるITを駆使した工夫がこの新型コロナウィルス禍で活発になりつつあります。印鑑文化である日本でもデジタル印鑑での認証が理解されつつあり、ウェビナーでの研修が進み、STORES(ストアーズ)という自分で簡単に作れる本格的ネットショップも人気です。また、在宅ワークに伴いデジタル名刺も活用されつつあります(筆者もスマホで作成してみました)。国際ロータリー(RI)ではマイロータリーから入るラーニングセンターでオンライン会合の学習トピックを提供しているだけでなく、数々のリソースが提示されています。かなり先進的です。企業経営者としても大変参考になるものです。このRIの革新性を皆様のクラブにも会社にも取り入れていただきたいと強く思います。ロータリーは世界恐慌、世界大戦などの厳しい時代を形を変えて乗り越えてきました。だから価値があるのです。
大切なのは“コロナ後”です。コロナとの関係性は不明ですが3月だけで第2760地区で43名の退会がありました。ロータリーにとってこの新型コロナウィルス禍問題の本質は、会員減少等の将来の危機を認識しながら、結局オンライン等のデジタル化改革が進まないことです。すべてをデジタルにするわけではなく、リアルとデジタルのハイブリッドな会合・研修が必要ということです。デジタル化で会費を安くすることもできるはずです。会員減少は想定外の危機ではありません。10年後の2030年に「わかっていたのになぜやらなかったのか」と後悔することにならないでしょうか。RIの戦略計画の第一は“適応力を高める”です。新型コロナウィルスで世界が激変するなかでこのまま立ち止まっていてはロータリークラブの未来はありません。「2030年からの警鐘」はすでに鳴っています。
国際ロータリー第2760 地区
2019-20 年度ガバナー
江南ロータリークラブ所属 伊藤 靖祐