樹木の致命的な病気 阻止
私とロータリー
樹木医カシナガ消防団RCC 名古屋分団長 川島大次
アカマツなどマツ類が「マツノザイセンチュウ被害(松枯れ)」によって枯れ、社会問題になったことは記憶に新しいことだと思いますが、今あらたに、ドングリのなる木に致命的な病気が拡大しています。それは、さまざまな研究の結果「カシノナガキクイムシ被害(ナラ枯れ)」だということがわりました。
松枯れが日本の風景を大きく乱したのと同様に、ナラ枯れも京都の東山をはじめ多くの里山の木々を枯らしつつあり、大きな問題となっています。
「カシノナガキクイムシ被害」は松枯れと同じ感染症で、水枯れを起こし林内の樹木に病気が蔓延します。幹から細かな白い粉をふくのが病徴で、2週間から3カ月くらいの短い時間で雑木林の大径木があっけなく枯れてしまいます。
生物の多様性、環境保護の重要性が叫ばれているなかで、この被害が山奥から次第に山裾の里山、街中の公園のドングリの木へと広がっています。神社の大切な大木が次々と枯れていく現状に危機を感じ、「カシノナガキクイムシ被害」から身近な樹木を守りたいという願いが高まった結果、2008年3月に日本樹木医会愛知県支部は、早期に発見し防除することを目的として「カシナガ消防団」を結成しました。
現在「カシナガ消防団」では、被害地域からカシナガ被害に関するレクチャーを要請された場合は講師を派遣し、防除作業を要請された場合はできる限り実費での奉仕活動をこころがけて活動しています。
一方、市民への広報などの対応不足、機材の不足等いろいろな問題もありましたが、RI会長より2010年11月9日に名古屋千種ロータリークラブが提唱クラブとしてRCC(ロータリー地域社会共同隊)として承認され、これを機会に今まで以上の本格的な活動を目指しております。