こころの中を見つめること
私とロータリー
豊田西ロータリークラブ RI2760地区広報委員長 硲伸夫
2011-2012年度も半ばを過ぎたが、カルヤン・バネルジー会長提唱の今年度RIテーマ「こころの中を見つめよう 博愛を広めるために」について、どのようにすれば、こころの中を見つめることができるのか、年度初めからずっと考えていた。
自分で自分自身の人間性を正しく見ることは大変難しいことである。自分自身を甘く見ることがあれば、厳しく見すぎることもあり、本当の自分がどこにあるかは、なかなか見えてこない。ましてや、その心の中を見つめるのは至難の業と言える。社会に出てからは「会社のためになるかどうか」「どうすれば競争相手に勝てるか」「家族や自分のためになるかどうか」と言ったように自分への可愛さが先に立つことが自分の判断基準となり、本来の自分自身の心を覆ってしまっていたように思う。幸い、第一線をリタイヤーしてからは、このようなことを考えなくてもよくなり、本来の自分を見つめることのできるチャンスが巡って来たような気がする。
自分自身を見る基準は「自分の目は本当に真実を見て、真実を人に伝えているのか」「社会的な地位に係わらず、人を上から目線で見てはいないか。襟に光るバッチで人を評価してはいないか」ということを常に心がけ、「来るもの拒まず、去る者追わず」の精神で人と接することだと思っている。
ロータリーの四つのテストに「真実かどうか? みんなに公正か? 好意と友情を深めるか? みんなのためになるかどうか?」がある。ロータリーに入会した時から、この四つのテストを月一回、例会で唱和している。ごく最近になって初めて、自分自身を知り、心の中を見つめたい、という心が芽生えるまでは、ただ惰性で唱和していたように思う。この四つのテストこそが、自分自身の判断基準であり、これを守ることによって「こころの中を見つめよう」という難題の解に近づけるようになってくるものと思っている。
今こそ、エコノミックアニマルとして、懸命に生き抜いていくうちに、知らず知らずのうちに着こんできた戦闘服や甲冑を脱ぎ捨てて、心の内に育まれてきた自分自身の心を、日のあたる場所へ出してやりたいと思っている。