奉仕の機会を与えてくれるもの(二)
私とロータリー
第2760地区拡大委員会委員長 杉浦壽康(下)
今回はロータリーの社会奉仕と国際奉仕について述べる。この2つの奉仕には個人でできる奉仕(個人奉仕)と個人の力だけではできない奉仕(団体奉仕)が共存している。
例を挙げよう。国際ロータリーには高校生を対象に相互に留学生を派遣しあう事業がある。派遣された高校生は1年間ロータリアンの家庭にホームステイしてその国について学ぶ。高校時代に異国の生活、文化、自然などを見聞することは、将来の人生に大いに役立つし、国際理解と親善にも寄与する。
この事業に必要な膨大な費用は、国際ロータリーの資金管理団体であるロータリー財団に、世界中のロータリアンから寄せられた浄財が当てられると同時に、ホームステイというロータリアンの個人奉仕によって成り立っている。
この交換留学生制度の他に「ロータリー財団奨学生制度」がある。これは、世界のいろいろな大学、研究所へ学生や研究者を派遣する制度である。派遣期間は1年から2年であり、期間中、受け入れ側で選任されたロータリアンのカウンセラーが付いて彼らの世話に当たる。財団奨学生の内、日本から派遣された第1号は国連難民高等弁務官として活躍された緒方貞子さんである。また、1982年にはプサンソン国際指揮者コンクールで史上初の女性優勝者となった松尾葉子さんも名古屋中ロータリークラブ推薦の財団奨学生である。
近年、国際ロータリーの本部はWHO(世界保健機構)に協力する形で地球上からポリオを撲滅する奉仕活動を展開しており、現在、撲滅寸前にまで成果を挙げて来ている。大変喜ばしいことである。これもロータリアンの善意の寄付に負うところが大きい。
さらに、ロータリー財団は「世界平和フェローシップ」制度を設けて世界平和のために活動する奨学生を資金の面から応援し、育成しようという試みが始まっている。地球上の紛争を無くし真の世界平和を目指してロータリーが動き始めた。