幅広い見識 研鑽し広げる
私とロータリー
名古屋東ロータリークラブ 副SAA 小田義彦
40年程前に地銀の役員をしていた父親が、時折胸の銀行バッジとつけ替える丸いバッジは何かと尋ねたところ、社会奉仕をする団体のものだと言われ、いい加減な事ばかり言っていた父親を見直したことがある。丁度、建築設計を一生の生業としていこうと決心をしたその頃には、自分の仕事と「奉仕」という概念とは結び付きようもない事と思っていた。
2009年には、我がクラブ創立五十周年記念行事実行委員を仰せつかり、東山公園「里山の森」に日時計を作る企画を手伝った。普段の仕事に近いところでお役に立て、名古屋市はじめクラブの皆さんが喜んでくださった事がとても嬉しかった。
ロータリークラブを仕事と直接結びつける事には違和感があるが、期せずしてお仕事をいただく事もあり、甘えてはいけないと思いつつ、施主が「クラブ仲間」という感覚は心強いものがある。ゴルフ同好会では、プレーの前後にクラブの歴史・人間関係など、例会場などでは知りえない情報が得られ、こういった「部活」はロータリーライフの幅を広げてくれる。
現在私は、社団法人日本建築家協会という職能団体(会員約4800名)の副会長兼東海支部長として、「建築家の職能理念に基づく資質の向上により、建築文化の創造・発展に貢献し、もって公共福祉の増進に寄与する活動」をしている。建築家は職業柄、専門技術と芸術性などの研鑽は日々積んでいるつもりでも、同業者同士の付合いだけでは社会通念・常識に疎くなりがちである。人を思いやるホスピタリティの心は、仕事の上でも、長い人生においても普遍のものであると言え、クラブの先輩たちからその心を見習い修養する意味でロータリーライフを楽しめたらと思っている。