卒業のない人生修養道場
私とロータリー
第2760地区拡大委員会委員長 杉浦壽康(上)
「ロータリークラブ」は私には無縁のものと思っていた。父の診療所を継いで3年目に医師会ならびにロータリーの大先輩である故志貴彦人先生から岡崎ロータリークラブへ入会のお誘いいただいた。
私は岡崎で生まれ育ったというものの、ロータリーの例会に出席しても、顔見知りの人はほとんど無く、はじめの内は楽しむよりむしろ苦痛ですらあった。それでも、親睦委員長を仰せつかったりするうちに、岡崎ロータリークラブの標語「和やかにして風格あるクラブ」を強く感じるようになった。会員の皆様は、正に標語通りの方々で、私のような新米の委員長にも快くご協力いただき、達成感を味わうことができた。
その後、いろいろな委員長を経験させていただいたが、極めつけは会長時代である。村井忠さんという素晴らしい幹事にめぐり合い、円滑なクラブ運営をすることができた。
当時、社会では禁煙の機運が出始め、岡崎ロータリーでは他クラブに先駆けて「例会場内禁煙」の実施に踏み切った。以来、この「禁煙例会」は歴代会長に引き継がれている。その他、それまで、新年度が始まって1カ月後位に配布されていたク
ラブ計画書を、第1例会の会長方針に間に合わせることにした。このため、原稿依頼や印刷所との交渉、校正などで幹事に大変ご苦労を掛ける破目になったが、目的を果たすことができた。
その後、太田賢太郎ガバナー時代に地区副幹事を、さらに地区委員会委員ならびにガバナー補佐を務めさせていただき、多くの人との出会いと共に世界を広げることができた。ロータリーに入っていなかったら、世間から隔離された小さな診療所で自分の医療行為のみに満足する「医者の常識は社会の非常識」という人間になっていたであろう。
私にとってロータリーは「とても楽しい『人間修養の道場』であり、特別な理由のない限り『永遠に卒業できない道場』である」と言える。