つながりとしがらみに守られて
私とロータリー
三河安城ロータリークラブ 矢田良一
「ロータリーとは何ですか」と問われたら、毎週、その日はランチを食べにいくところというイメージが強い。その時間は、予定が重ならないよう組み立てている。もし重なってしまったら、その日はきっとランチを食べそびれてしまう日となるだろう。ただそれだけのようにみえるが、その繰り返しは、かなり強いつながりとしがらみを作っている。
経済的に恵まれた現代、拘束されることを嫌ってしがらみのデメリットに目がいきがちであるが、つながりの守りとしがらみの足かせ、その双方が私にとってのロータリーである。
さて、近ごろ、仕事をしていく上で、すべてが「お金」で判断され、過剰な競争を強いる社会の雰囲気に怒りとも悲しみともつかない気持ちを抱いてきた。そんなとき、苦くして行き詰ったときに、人間の価値とは何ぞやと、問い詰めなければ乗り切れないことさえある。「地位も肩書きも過去の実績も取り払った時、自分にどれだけの価値があるか」問い詰めて、自分を納得させる。しかし、半面、人間の大きな価値のひとつにつながりがあることも実感する。つながりとは、その人の歴史であり、かけがえのない財産である。
ロータリーのつながりの守りとしがらみという足かせに包まれている限り、人間として大きく道を踏み外すことはないだろう。異業種・さまざまな価値観という多様性、私のような異質を受け入れてくれる懐の深い集まりの箱の中で、同じ理想に向かって、今後も多くの出会いを楽しみたい。