奉仕の機会を与えてくれるもの(一)
私とロータリー
第2760地区拡大委員会委員長 杉浦壽康(中)
国際ロータリーにはロータリーの精神を表す標語が2つある。第1の標語は「超我の奉仕」であり、「奉仕の理念」を表す。すなわち「私心無き奉仕」 「代償を求めない奉仕」 「奉仕させてもらうことに感謝と喜びを感ずること」である。
第2の標語は「最も良く奉仕するものは最も多く報われる」である。「最も良く」は英文では「best」で、奉仕の内容と在り方である。「最も多く報われる」は「profit most」で、「最も多く利益を得る」である。ここでの利益とは唯物的なものではなく、精神的満足感、幸福感、充実感を指している。
2つの標語の具現化としてロータリーには「クラブ奉仕」 「職業奉仕」「社会奉仕」「国際奉仕」の4大奉仕があり、2010年度からは「新世代(青少年)奉仕」が加わり5大奉仕になる。
約100年前に弁護士のポール・ハリスがシカゴで3人の仲間と作ったのがロータリークラブの始まりである。このころ、米国は貧困と犯罪にあえいでいた。ポール・ハリス自身も仕事がうまくいかず、助けを求めたり、相談する相手もいなかった。そこで、3人の仲間と情報交換をすれば仕事もうまくいくだろうということでロータリークラブを作った。創設当時は高邁な精神も標語も無く、ひたすら情報交換をして仕事に活かすのみであった。創立当時の奉仕は「クラブ奉仕」と「職業奉仕」の2つであり、特に「職業奉仕」は最重要奉仕であった。
ロータリーには職業倫理訓としてだけでなく、近年日本では人生訓ともなっている「四つのテスト」がある。4つのテストとは、まず「言行はこれに照らしてから」に始まり、「一、真実かどうか。一、みんなに公平か。一、好意と友情を深めるか。一、みんなのためになるかどうか。」の4つである。
ロータリアンは日常の仕事の中で、この4つのテストにしたがって、知らず知らずのうちに奉仕させていただいているのである。