きっかけは、ここにある
私とロータリー
豊橋RC雑誌委員長 松本孝一
人生には、作ろうとしても、作れないタイミングがある。縁と運の巡り合わせも重なり、クラブに入会させて頂いた。入会に際し、どんな活動をするのかを気にかけることより、声をかけて下さった方に真摯(しんし)に答えたい、それが素直な気持ちだった。
職業におけるその専門的技量の向上は当然のことながら、何より大切なことは、どのような思いを持って、その業務を多くの人々の幸せに繋げていくのか、道徳の水準を高め、職業を通した社会への奉仕の理念を磨くこと、そして、その気づきを得られる多くの知り合いとの交流と親ぼくの場。これらロータリークラブの底流にある基本を知った時、この会の高潔さと同時に会員個人に対し、いかに寛大で尊重しているのかが強く感じられた。
毎週1回の例会への出席はあくまで義務、でもそれは玄関の前に立ったに過ぎず、そのドアを開け、知り合う人たちとの交流の中で創造力をかき立てるのも、奉仕の景色を思い描くことも、すべて自らの意思からしか始まらぬことを言っている。
そして会でのさまざまな経験を通じ、心通わす多くの場面で仲間と助け、助けられる親ぼくの内から生まれるエネルギー、溢れ出る情熱の力を肌で察する中で、仲間からその機会を与えてくれた会へ、さらに会から自らを育ててくれた地域社会へ、ひいては生を与えられた地球社会へ何が出来るのか自然に意識が向いて行く。
きっと自分にとっての理想の奉仕の姿を見つけなさい、「きっかけは、ここにある」と言われている気がしてならない。人生には、作ろうとしても、作れないタイミングがある。
もし、人は見たところへ必ず行けるとしたなら、この縁と運の巡り合わせも自らが引き寄せたものなのかもしれない。